さすがの長旅、売店でドリンク購入、ベッドで少し横になる。
現地ではもうじき「独立記念日(7/4)休暇」を控えているはずだが、ホテルは暇そうだ。
17時の開門に合わせて支度をして、歩いて球場に向かう。もうこの道のりも、 5~6回目なので、動揺もしないが、とにかくここから球場まで徒歩5分といえど、 その道程は、正直、ファミリーや新婚さんにはお勧めできない。やはり彼らには 「ディズニーリゾート」からタクシーで行った方が良いのかな?
何しろこの道は、スタジアムの後方パーキングに通じるのだが、本来、車のみ使用する ようで、途中から歩道も無いところを歩かねばならぬ。しかも1度、フリーウエイと鉄道のガードを くぐらねばならないのだ。なんか貧乏くさいです。
でも、そこを通過すれば、もう目の前にスタジアム後方が、左側には「Big A」が姿を現します。
ただ正直、もう、それで「舞い上がる」事は無くなりました。ここから正面ゲートまで、 まだまだ歩かなければなりません。
開場時間少し前に正面に到着。しかし、6月下旬という日本での「夏休み」はまだ少し後で 日本人の姿は殆ど見かけず。そんなことより、とにかくかつてのエンゼルスの4番、 「ゲレーロ」のユニフォーム、シャツを身にまとったファンがチラチラ見えます。
なんだかいつもと違う、独特のムードになりつつあります。
今日の座席はチケットマスターで入手した、123sec H列 1塁側ダグアウト後方6列目です。
「Will Call」では、本来「予約証明」「クレジットカード」「写真付ID」を用意となっていますが、 現場は「ID」のみ提出でOKみたいです。ただ、発券されるチケットが、 もうチケットサイズの紙に文字が印刷されただけのもの。
従来の選手のイラスト入りのものに比べたらやはり味気ないのであります。
そればかりか、最近は「電子チケット」も多く、それはA4用紙に印刷される、殆ど「書類」です。
もうあまり、「記念品」として残しておく習慣も無くなって来ているかもしれません。
(私もスキャナーでPCに落として、現物捨てちゃったりしてるからなあ・・・)
17時開場、本日は「ゲレーロ凱旋?」という話題性あるゲームですが、平日の火曜日、 プロモーションによる「プレゼント」もなく、出足は鈍いようです。
1塁側ダグアウトから、松井選手の打撃練習、記者と談笑する本日の主役、ゲレーロを観察。
17:45、自軍の練習が終わり、Angelsの選手が引き上げようとする中、松井選手は、 3塁側ダグアウトのレフト方向の出入り口の向かっていく。そこで待ちうけていた3人の少年ファン。
彼らが松井にボールを投げ入れ、勿論全員がサインをゲット!見ていて「悔しいなあ・・・」と思う。
どうしてもサインをもらう為には3塁側110~113あたりのチケットを手に入れないと 無理なのだ。
しかも本日は日本人の団体なども居なくてたった3人。
この経験を帰国するまでに成功に導かねばならぬ。改めて闘志に火が点いた。
ふと横を見ると、見るからに日本人の若い青年が、デジカメでいろいろ撮影している。
「練習風景」とはいいつつも、実際、1時間見ているのは、サインでも貰わないかぎり、 結構退屈なものである。こういう時、私と同じ、日本から独り旅で来ている方に声を掛け、 話し相手になってもらうのが、一番良い。かつて20人位の人と出会い、今でも「情報交換」「交流」の ある人も数人いる。これも旅の大切な思い出である。
彼に「日本人の方?」と切り出し、松井のサインなどの話をして和む。
Yさんとおっしゃり、大学生。親父さんが、カナダに出張に行くのに同行し、一人だけ LAにミニトリップらしい。明日はLA市内観光をして、カナダにトンボ帰りの予定だが、 ツアー会社で2名以上集まらず、中止の可能性があるとか・・・。しかし、そのツアーが、当方が 今LAでは大変お世話になっている「Eツアー社」と聞いて、私も一肌脱ぐつもりで、 「その半日観光、乗った!」とばかりに、参加させてもらう事にした。
彼が「ツアー会社名」を言わなかったら、こんな事なかっただろう。
「ご縁がある」・・・って面白いものだ。
明日の昼の予定も決まり、ぼーっとしていた所に、テキサスの選手がサインを始めた。
誰か解らなかったが、とりあえずボールとペンを渡した。しかし、練習ジャージ着用で、 最後まで解らず。(隣で一緒にもらっていたファンもいなくなり、聞けなかった)
しかし、あの腕の大きなタトゥーが決め手だった。その選手こそ、今年大ブレークの 「ジョシュ・ハミルトン」だったのだ。とりあえず敵チームでは一番価値ある選手からゲット出来た。
前出のYさんは、さすがにボールなど、サインしてもらえる適当なものなく、残念だった。
これでまず1個目の収獲あり。座席エリアの違うYさんと別れて、こっちは気になっていた 「Toro Sushi」という「松井用」に出店した寿司屋に行ってみる。
123secの後方にあるこの店は、シアトルにある「マリナー寿司」とメニューとしては 変わり映えなく、「カリフォルニアロール」や「ツナロール」主体。そこに「55ロール」がある。 注文を受けてからロールを巻きだすので時間がかかる。巻き寿司に枝豆、サラダ゙が付いて、 18$と高めだ!まあ、記念に食べる日本人多いだろうなあ・・・(僕みたいにね)
まあ、味はまあまあです。(日本食飢餓状態の方にはお勧め)
ちなみに野球観戦の定番、「ホットドッグ」場内はいろんなサイズ、種類がありますが、 スタンダードな「エンジェル・ドッグ」は4.5$。日本人でも手ごろなサイズです。
味は「格別美味しい」訳ではないですが、別場所にある、バルクに入った「マスタード」「ケチャップ」 ぶっかけてほうばる。これぞ「醍醐味」ですね。
さて試合開始直前となったが、やはり、お客さんの出足は遅く、思っていたほどの ピリピリしたムードはありません。
後日、今年のオールスターゲームで気がついたのですが、 いわゆる「同地区同士」というのは、西地区では、あまりライバル意識ないようです。
「NY」や「ボストン」に対しての敵愾心は、どのチームも持っているのでしょう。
かつて西地区はどのチームもプレーオフで東地区に痛い目にあってますから。
逆に東はNYとBOSなど同地区でかなりいがみ合っていますが。
2回表、4番のゲレーロが初めて打席に入りました。自らファンに向かってヘルメットを脱いで、 挨拶をしました。
スクリーンには、かつてのAngels時代の活躍していた彼のシーンが映し出され、
最後に「Thanks You Vlad(ありがとう ゲレーロ)とメッセージが流れました。
アナハイムらしい、とても心温まる、良いシーンでした。
もっと大きなスタンディング・オーベーションが起きるかと期待したのですが、 なにぶん、ここのお客さんは3回くらいに埋まり始めるので、思ったより大きな歓声には なりませんでした。(むしろ試合前から満員だった、オールスターゲームのほうが、それらしい 雰囲気でした)
また、一部、「ブーイング」も聞こえ、今回の移籍は球団、GM、代理人など、 いろいろ複雑な事情が入り混じって、こちらが伝え聞いて、想像したのとはまた違った光景でした。
この貴重なシーンを画像に収めようとしたところ、2列前に座っていたファンが 「ゲレーロ、カムバック」的意味合いの巨大バナーを立ちあがって掲げたので、 撮影できませんでした。彼はその後も何度か「MATSUI」の名前をコールしていたので、 やはり、今の松井には不満を感じているのでしょう。
ゲレーロは、かつて04年に移籍してきたころの勢いが戻ったかのように、 シャープな打球を飛ばしました。ここ数年外角の変化球に手を出し、空振りを繰り返して いましたが、それもリーチを利用してヒットにしていました。
さらには、7回表、1点差に詰め寄る2ランホーマー。打球を追っかけたハンターも「お手上げ」の1発!
見事な「恩返し」をされました。
一方、松井は、そのゲレーロでも敵わない「はず」だった、「勝負強さ」がなかなか発揮されず。
「タイムリー」かと思った打球もランナー、アブレイユが本塁憤死。
正直ここまでの活躍は、特にこのアナハイムというカラッと明るい環境では、 ゲレーロのような「天然・天真爛漫」キャラが合うのかなあ」と思っちゃいました。 チャンスにことごとく凡退しても、観客は一切ブーイングせず、彼も後引かず、「ケロッ!」と していました。
勿論アナハイムでも、レギュラーシーズンの状況を追っかけ、1試合ごとの勝敗に1喜1憂する ファンはいるでしょう。しかし、ここはやはり、自分が観に来たゲームがエキサイティングであれば、 それで満足(例え途中で帰って、チームが逆転負けしても)みたいな土地柄です。
そういう意味では、やはりゲレーロは最高のエンターテイナーでした。
そのゲームは最終回、「不安なクローザー」フエンテスが、そのゲレーロを三振に仕留めるなど、 意外にもきっちり3人で抑えました。
6対5、1点差でエンゼルス勝利です。
まあ、この時点では、「ゲレーロに華を持たしてやれ・・・」と余裕かましてましたが。
なお、前出のYさんは、LAのダウンタウンにAmtrakで帰る為、試合終了まで居られずに、 (Amtrak、LA行き平日最終22:18)途中で退場。
鉄道は片道13$(メトロリンクなら8、25$)で安いが、最終列車と試合終了予定時刻が微妙であり、 さらに、Yさんは、メトロリンクのチケットでAmtrakに乗車してしまい、車内で正規のチケットを 新たに購入させられたそうだ。(運行会社が異なるので仕方ないのだが)
また、別途これについては追って書きますが、タクシーならLAから100$もかかるところを Amtrakなら13$、駅もスタジアムの真横に停車と絶好なロケーションであるがために、 とても使い勝手のある交通手段だが、ある程度の予備知識と「もしも」の際の対処法など 持っていないと、簡単には使いこなせないようだ。
私は、沢山の車が巨大駐車場から吐き出されるまで、「チームショップ」にて、 お土産冷やかしをして、来た道をまた歩いて帰る。
「チープトラベル」のトミさんによると、タクシーによっては、「ディズニーリゾート」ホテルには、 行ってくれないケースもあるらしい。ここは本当に、「アクセス」については、神経を使う。
だからこそ、トミさんは、「球場から歩いて行けるホテル」情報の収集に余念がない。
最近、あるスレッドでの書き込み、{何がロサンゼルス エンゼルスだ!」所詮、 「アナハイム エンゼルスだろ」だって!・・・確かに。
後日談
とにかく、「ゲレーロ凱旋」「西地区首位攻防戦」と現地では、話題のカードであったが、 NHK-BSは「NY VS SEA」を中継。そこで奥の手として、 「スカパーe2 16日間無料視聴キャンペーン」を申し込み、CSから録画しようとしたのだが。
出発直前もエンゼルス中継の予定なく、「メッツ高橋」「松坂」登板など、 全く気配無。(3試合目はCSで中継あったとか)。
従って、予定していた「バナー」で映ろうとか作戦も取りやめ。
結果的には、NHK-BSの「MLBハイライト」で約5分程度の放映に終わった。
しかし、この3連戦のテーマはやはり、日本人ファンには馴染み薄く、仕方ないと言えよう。
であるからこそ、長年のファンである私にとっては、現地に飛んで体感して良かったとも言えます。
2010年6月29日(火)アナハイム エンゼルス観戦記
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